非常勤職員の処遇が良くなって欲しい
定員外職員は、国家公務員の長年にわたる定員削減での要員不足を補うため採用され、現在は、公務職場全体で常勤職員の3人に1人を超える割合に拡大しています。その職務内容は、事務補助が主ですが、職場によっては事務管理や船舶乗組員など専門的な技能職もあり、いまや行政サービスを提供するうえで、なくてはならない存在となっています。しかし、常勤職員と比べ、労働条件は較差が残されたままで均等待遇には至っていない状況です。
近年、労働組合が均等待遇を求めるなか、休暇制度などの処遇改善がすすんでいます。
非常勤職員の勤務条件の変更(成果)
年代 | 変更点 | 解説 |
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1949年 | 「非常勤職員制度」の創設 | - |
1961年 | 非常勤職員の常勤化防止が閣議決定される。 | この閣議決定で、非常勤職員から常勤職員へ切り替えの道が閉ざされた。 |
1988年 | 年次休暇付与対象非常勤職員の範囲拡大(それまでは週5日以上勤務者のみに付与) | - |
1994年 | 年次休暇付与日数が、労働基準法並の扱いとなる。 | 年次休暇付与日数が2年目以降増えることになった。 |
1996年 | 保育時間の男性取得、私傷病の場合の無給休暇 | 私傷病による休暇が無給ではあるが認められたことにより、欠勤とはならないこととなった。 |
1997年 | 時間単位の年次休暇取得が可能となる。 | - |
2001年 | Ⅰ種非常勤職員としての雇用が可能となった。 | 時給→日給、1日8時間、退職金などが支給できるようになった。 |
2004年 | 生理休暇が特別休暇(無給)として認められる。 | - |
2008年 | 「非常勤職員に対する給与指針」が策定され給与の適正な支給が義務づけられる。 | 【指針の概要】①常勤職員の初号棒を基礎として、地域・経験を考慮 ②通勤手当額の支給 ③期末手当額の支給 |
2009年 | 一般健康診断及び忌引休暇・病気休暇の適用を拡大 | 忌引休暇(有給)及び病気休暇(無給)を常勤職員の3/4を超えない職員にも適用 |
2010年 | 「日々雇い」の任用形態が廃止。一定期間の任期を定める「期間業務職員制度」スタート | フルタイムだけでなく、3/4を超えない職員にも任用期間の定めを準用 |
2011年 | 「退職手当計算の「期間」が増える | 引き続き雇用された期間を通算して退職手当の計算に反映 |
2011年 | 育児休業制度導入 | 引き続き1年以上任用される者は、取得可能に。 |
2011年 | 介護休暇導入 | 引き続き1年以上任用される者は、取得可能に。 |
2012年 | 通勤手当支給の見直し | 従来の日割り計算から、常勤職員に準じた支給に改善 |
2013年 | 退職手当の満額支給 | 一部の職場において、月半ばでの採用者に対して「雇い止め」時点での通算雇用期間が2年11ヶ月であるとして、退職手当が2年分に切り下げられている実態があった。労働組合のとりくみによって、一定期間の雇用延長によって満額支給を勝ち取った。 |
2014年 | 賃金日額、期末・勤勉手当の見直し | 月額で約2,100円、期末勤勉手当で0.1ヶ月の改善 |
2015年 | 夏季における弾力的な年次休暇の付与 | 新たに雇用された期間業務職員に対し、7月から9月に3日間の年次休暇を 取得できることとなった。 |
2017年 | 3年雇い止め方針の見直し | 「非常勤職員制度の運用に係る留意点について」が示され、2017年4月以降、公募によらない2回の採用以降の公募による再採用は任命権者の判断で行われることとなり、3年以降の採用が可能となった。 |
2017年 | 育児休業可能期間の拡大 | 保育所に入れない等の事情がある場合に、例外的に2歳に達するまで取得が可能となった。 |
2018年 | 結婚休暇の新設、忌引休暇の拡大 | 結婚休暇:結婚の日の5日前から結婚から1か月を経過する日までの間で連続5日の有給取得が可能に 忌引休暇:6か月以上の任期が定められている、または6か月以上継続勤務していることという要件がなくなった |
2020年 | 夏季休暇 | 7月から9月までの期間内における勤務時間が定められた日のうち、原則として連続する3日間の有給休暇を取得できることとなった。あわせて、2015年の弾力的な運用は廃止となった |
2022年 | 期末・勤勉手当の見直し | 定員外職員の一時金の支給月数が、常勤職員並の支給月数に改善 |
2022年 | 妊娠・出産・育児・介護などの休暇制度の新設や要件緩和 | 出生サポート休暇、配偶者出産休暇、育児参加のための休暇の新設、産前休暇と産後休暇の有給化 |
2023年 | 給与改定に伴う4月の遡及改定 | 人事院勧告において給与改定となった際、これまで給与法改定時点からの改善適用であったが、常勤職員とあわせて、4月期に遡及 |
労働組合に加入して、ともに制度改善を実現させましょう
しかし、定員外職員の雇用については、会計年度内を期間とした雇用形態のなか、2017年3月まで、「3年雇い止め」の運用を継続していました。国土交通労組の追及により、2017年4月から「公募による4年目以降の採用」の見直しを行っています。ただし、6年目以降の採用は実現していません。
労働組合に加入して、ともに制度改善を実現させましょう!
これまで、労働組合のとりくみにより、さまざまな制度が改善されてきました。
しかし、休暇制度や雇用期間など、不当な較差はまだ残存しています。
定員外職員のみなさんも、国土交通労組に加入することができます。
国土交通労組に加入して、人事院や国土交通省当局に、申し入れや団体交渉等での追及を行い、定員外職員の制度改善にむけて、ともにとりくみましょう。