各種とりくみ報告
IFATCA APRM2026 TOKYO

2026年10月20日~22日にかけて、IFATCA APRM2026を東京都内の御茶ノ水ソラシティにて開催しました。日本での開催は2005年の福岡以来21年ぶりとなります。会場には、100人以上の外国人管制官、50人以上の国内参加者・スタッフ、来賓・協賛関係者、パイロットなど総勢300人以上が集結しました。
会議テーマである“A Seamless Sky — Voice, Data & Runway Safety”(ひとつの空のもとで、私たちの声とデータ通信、そして滑走路の安全)のもと、初日にはIFALPAとの歴史的な合同セッションを実現し、航空管制官とパイロットが空の安全とさらなる連携強化にむけた活発な議論を繰り広げました。

会議の主なトピック
本会議では航空安全の確保と現場の労働環境改善にむけた多角的な議論が展開されました。日本代表団も登壇し現場の声をしっかり届ける発表を行いました。
・安全と技術: 最新の滑走路安全対策、ならびにAIや最新システムを活用した安全かつ効率的な交通流形成
・人材育成と訓練: 各国における管制官の訓練体制と現場が直面する課題の共有
・メンタルウェルビーイング: CISMおよびPSVのとりくみをとおした、職場のなかま同士で行う支援と心の健康維持
・個人責任を追及しないとりくみ:佐野中央執行副委員長によるプレゼンテーション


日本文化のおもてなし
海外からの参加者に日本文化を肌で感じていただくため、迫力ある「書道パフォーマンス」や会場参加型の「英語落語」、ウェルカムパーティーでの「鏡開き」「空手実演」など実行委員会が趣向を凝らした様々なイベントでおもてなしを行いました。

まとめ
国内外から多くのなかまを迎え、大盛況のうちに全日程が無事終了しました。21年ぶりの日本開催という大きな挑戦を成功に導くことができたのは、国土交通労働組合全体の力強いとりくみの成果です。国境を越えて築いた「連帯」を胸に、より働きやすい職場環境の確立にむけて、これからも団結して前進していきましょう!
用語解説
・IFATCA (International Federation of Air Traffic Controllers' Associations / 航空管制官協会国際連盟)
世界中の航空管制官の組合や協会が加盟する国際組織です。航空の安全確保、管制官の労働環境・専門性の向上、新しい航空システムへの提言などを目的として活動しています。国際民間航空機関(ICAO)などの国際機関に対しても、現場の最前線で働く管制官を代表して意見を発信・反映させる重要な役割を担っています。
・APRM (Asia & Pacific Regional Meeting / アジア・太平洋地域会議)
IFATCAは世界を4つの地域に分けて毎年それぞれの地域会議を開催しており、APRMはそのうちの「アジア・太平洋地域」の会議です。地域の加盟国代表が一堂に会し、航空システムや労働環境に関する様々な課題について議論や情報共有を行うとともに、国境を越えた管制官同士の交流を深める重要な場となっています。
・IFALPA (International Federation of Air Line Pilots' Associations / 国際定期航空操縦士協会連合会)
世界各国のパイロットが加盟する国際組織です。航空安全の推進、運航技術の向上、パイロットの権利保護や労働条件の改善を目的として活動しています。安全の最前線を担う「空のパートナー」として、IFATCAとも日頃から情報交換や連携を密に行っています。
・CISM (Critical Incident Stress Management / 惨事ストレスマネジメント)
航空事故や重大インシデント(ニアミスなど)といった衝撃的な出来事に直面した際に、当事者が受ける心理的ストレスを軽減し、精神的な回復を支援するための包括的なプログラムです。当事者の孤立を防ぎ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの長期的なメンタルヘルス不調を予防することで、職員の離職を防ぎ業務へ復帰するための仕組みとして航空業界で広く導入されています。
・PSV (Peer Support Volunteers / ピアサポート・ボランティア)
CISMなどのメンタルヘルス支援の枠組みにおいて、心理的なサポートを行う同じ職場のなかま(ピア)のことです。所定の訓練を受けた同僚がボランティアとして相談に乗ることで、外部の専門カウンセラーには伝わりにくい「航空業界特有の業務プレッシャーや特殊な事情」を深く理解・共有でき、当事者が安心して悩みを打ち明けられる初動対応の鍵となります。