声明談話・大会決議など
第15回定期大会 大会宣言
大 会 宣 言
国土交通労働組合は9月7日から8日にかけて第15回定期大会を開催し、一年間のたたかいの総括とむこう一年間の運動方針を決定した。
物価高騰が国民生活に大きな影響を及ぼしているなかで行われた25春闘では、全労連・国民春闘共闘に結集する多くの労働者がストライキ体制を確立し、24春闘に引き続き高水準の賃上げとなった。国土交通労働組合においてもすべての労働者の生活改善をめざし、広範な労働者・国民との連帯を強め、大幅賃上げにむけたとりくみをすすめてきた。そうした情勢のもと、今年の人事院勧告では、昨年に引き続き俸給表が引上げ改定となったこと、駐車場代を新たに支給対象とする等の自動車等を利用した通勤手当の改善を勝ちとったことは大きな成果と言える。
しかし、俸給表はすべての世代で物価高騰分を補えないことや、昨年の寒冷地手当、地域手当や扶養手当をはじめ、諸手当の見直しにより不利益変更が生じたなかまにとって、改悪分を取り戻す賃上げに至っていない点は断じて許すことはできない。引き続き、ひとりの改悪も許さず大幅な改善を勝ちとるため、地域と共同して奮闘していくことを誓い合った。
政府が推し進めてきた14次にわたる定員合理化計画によって、職場体制の確立が難しくなるなか、中堅層職員の少なさなどにより一人ひとりの業務負担が増え続けている。そうしたなか、今年度からの定員合理化計画でも、5年間で5%の定員削減が強行されている。一方で定員外職員の6年目、7年目の継続雇用、3年公募要件の撤廃などを勝ちとったことは、この間、私たちが重点的にとりくんできた「体制拡充署名」や議員要請などに労働組合が奮闘してきた大きな成果と言える。当局は定員外職員の継続雇用の条件として能力評価における高すぎるハードルを設けたが、いたずらに雇用に対する不安をあおるものであり断じて容認できない。今後も定員合理化計画の中止及び撤回、労働条件や処遇の改善のため、引き続き全力を挙げてとりくむことを確認した。
「令和6年能登半島地震」や、全国各地で発生している豪雨被害などでは、被災した組合員も含めて各職場のなかまが復旧復興にむけた支援に奮闘している。石破内閣は、2026年度に防災庁を設置しようとしているが、スケジュールありきでの突貫工事と指摘されている。国民のいのちとくらし、安全・安心をまもるための防災行政を確立させることは必要である一方、国土交通行政の形骸化につながらないよう、体制拡充を含めた政策的な議論を深め、政府及び当局に対する要求を強めることを意志統一した。
また羽田航空機事故では、事故調査の結果が捜査機関の証拠として採用される実態から、個人責任を追及させないとりくみをあらゆる産業のなかまと連帯して世論に訴えていくことを確認した。
平和をめぐる情勢では、ロシアによるウクライナ侵略や、イスラエルとイランのミサイル攻撃の応酬など、世界的に情勢が不安定となるなか、政府は、中国の台湾有事や北朝鮮のミサイル発射訓練など、新たな脅威に対する防衛策として「安保3文書」にもとづき、南西諸島の防衛力強化を急速にすすめている。また、政府は、武力攻撃事態などに備え、自衛隊や海上保安庁の要望にもとづき、関係府省と連携して空港・港湾などの公共インフラの整備・機能強化をすすめるために「特定利用空港・港湾」の指定を追加しているが、私たちの職場が攻撃対象とされること、戦争への加担を強いられることは断じて許すことはできない。戦後80年をむかえたいまこそ、平和の課題についての議論を深め、国民のいのちと生活をまもる国民的運動に結集していかなければならない。
国民本位の国土交通行政の確立と私たちの諸要求を実現させるためには、国土交通労働組合の組織拡大強化が喫緊の課題となっている。「新プロジェクトK」を立ち上げ、国土交通労働組合が一体となり、すべての地方協議会・支部・分会が目に見える組合活動を展開するとともに、時代に即した魅力ある労働組合を作り上げていくことを意志統一した。労働組合ならびに労働運動は、自らの労働条件改善には必要不可欠なものであることを再確認するとともに、その意義を未加入者にも広めていくことで、組織拡大強化のとりくみを立ち止まることなくやりぬいていくことを決意した。
国土交通労働組合は、組合員一人ひとりの要求を実現するため、公務産別、交通運輸・建設をはじめとする労働者と共同し、すべてのなかまとともに職場課題の改善、平和で安全・安心な社会づくりのために、よりいっそう奮闘していくものである。
以上、宣言する。
2025年9月8日
国土交通労働組合 第15回定期大会
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