2019年春闘アピール

 国土交通労働組合は、2月3日から4日にかけて、愛知県豊橋市において中央委員、オブザーバー、来賓、本部をあわせて159名参加のもと第8回中央委員会を開催し、2019 年春闘方針を決定した。

 安倍政権が推しすすめるアベノミクスのもと、大企業の内部留保は446兆円にものぼる一方で、実質賃金は物価上昇もあって減少しており、10月からは消費税増税が実施される動きがあるなど、ますます大企業優遇の国民いじめの政策がすすめられようとしている。

 公務の賃金をめぐっては、5年連続で引き上げられたものの生活改善にはほど遠いものとなっている。くわえて、「給与制度の総合的見直し」による現給保障の終了と同時期に、宿舎使用料の引き上げや扶養手当の見直しなどによって、アンケート結果では6割のなかまが、生活実感が「苦しい」と感じている。

 私たちは、今春闘においても、すべての労働者の大幅賃上げの実現をめざすたたかいに結集することを確認した。

 政府は、今通常国会において、国家公務員の定年延長に関する法律改正案を提出しないことを明らかにした。私たちは、60歳を超える職員の賃金水準を7割とすることや役職定年制の導入などについて反対し、定年延長制度の具体的内容について早期に示すよう求めてきた。引き続き、年金支給開始まで安心して働ける処遇を求めるたたかいが重要である。あわせて、再任用制度の改善や、加齢にともない業務が困難となる職種についてのあらたな制度と、安心して暮らせる高齢期雇用制度や社会保障制度の実現を求めて、なおいっそうとりくみを強化することを確認した。

 安倍首相は、「9条改憲」による自衛隊の存在明記を掲げ、防衛費は過去最高の約5兆3000億円と政権復帰から6年連続で増え続けており、護衛艦の空母化や米国からの要請に応じるままF35戦闘機を大量購入するなど大軍拡をすすめようとしている。また、米軍辺野古新基地建設については、2月に基地建設の是非を問う県民投票を控えているにもかかわらず、新たな埋め立て護岸工事に強行着手した。このことは米軍基地建設に反対する沖縄県民の民意を踏みにじるものであり、断じて許されることではない。

 また、9条を空文化する憲法改悪への動きを加速させている安倍政権に対峙するため、「3000万人署名」のさらなる上積みと統一地方選挙や参議院選挙をつうじて、民間労組や市民・諸団体と連携した平和をまもる運動を強めていくことを確認した。

 私たちは、地震、台風、豪雨などに対する自然災害などへの備えや、相次ぐ事故に対する交通運輸の安全確保と利便性向上にむけて、国民の安全・安心を守るため、全国各地の職場で国土交通行政を支えている。しかし、職場では長時間過密労働が常態化し、職員の心と身体は疲弊している。私たちは、国民本位の国土交通行政をめざして、体制拡充、気事拡、生公連の『三大署名』を旺盛にとりくみ、新たな定員合理化計画を阻止し、大幅増員と体制拡充をはかり、すべての職員が安心して働ける職場をつくるため、職場・地域から世論の理解と支持を広げる運動を力強くすすめていくことを意志統一した。

 私たちの要求を実現するためには、なかまとの団結をはかり、組織を大きくすることが喫緊の課題である。新規採用者をはじめ、すべての対象者に対して加入拡大を旺盛にとりくむとともに、「職場に組合の風を吹かす」職場活動を実践し、頼れる労働組合となることを確認した。

 1月に結成された神戸管制支部を含め、国土交通労働組合に結集する50の支部のなかまが、さらに職場・地域で奮闘する決意を固めた。

 19春闘は、大幅賃上げ、長時間労働改善、大幅増員、憲法改悪阻止、すべての国民が安心して暮らせる社会を実現するために、広範な国民とともにとりくみをすすめていくことを確認した。

 国土交通労働組合に結集するなかまのみなさん。

 本中央委員会で決定された方針を実践し、2019 年春闘勝利をめざし、全力で奮闘しよう。

 

 2019年2月4日

国土交通労働組合 第8回中央委員会