国土交通労働組合は、9月7日から9日までの3日間、静岡県伊東市において第4回定期大会を開
催し、1年間のたたかいを総括するとともに、今後1年間の運動方針を決定した。
安倍政権は解釈改憲による「集団的自衛権」の行使容認を閣議決定する歴史的暴挙を行い、日本
を「戦争する国」に変える動きを露わにしている。私たちは憲法尊重擁護義務をかせられている国
家公務員労働者として平和憲法を遵守し、「戦争する国」に変えるあらゆる策動や、国民の権利と
世論を無視する暴走政治に対して断固たたかうことを確認した。
政府は、「総人件費削減方針」及び「機構・定員管理削減方針」を閣議決定した。これらの決定が、
国民の安全・安心の確保をはじめとする行政サービスの切り捨てや、さらなる職場の疲弊、職員の健
康破壊に拍車をかけることは明白である。こうした公務職場の実態を国民に訴え、大幅増員への理解
を深めていくことを確認した。
人事院は国会と内閣に対し、一般職国家公務員の給与等に関する勧告と報告を行った。この間の官
民共同のたたかいにより給与水準の引き上げ勧告を勝ちとった。しかし、大きな問題を抱える「給与
制度の総合的見直し」も盛り込まれた。これは職務給の原則に反し、地域間格差を今以上に広げるも
のでしかなく、ひいては、民間労働者の賃金・労働条件をも引き下げるものである。このように人事
院は、労働基本権制約の代償機関としての役割を投げ捨て、今や政府・財界の方針を実行する機関へ
となりさがっている。
私たちは、官民一体のたたかいの重要性をあらためて確認し、すべての労働者と連帯し、賃金底上
げをはじめとする賃金大幅引き上げにむけ奮闘するとともに、労働基本権の回復をめざし、たたかう
ことを決意した。
「独立行政法人改革」において、政府提出の「独立行政法人通則法の一部を改正する法律」が可
決・成立した。この法は雇用継承の定めのない欠陥法であり、組織の廃止・縮小ありきの改革であ
り、安定雇用さえも脅かすだけでなく、各独立行政法人がこれまで果たしてきた国民生活に直接関
わる役割が損なわれる可能性も否定できない。
一方、私たちのたたかいにより両院の付帯決議に雇用への配慮を盛り込ませる成果を勝ちとっ
た。政府・財界は「独立行政法人改革」を行政改革・民営化の先導的役割と位置づけ「道州制」や
「地方分権改革」など、公務・公共サービス破壊を押しすすめようとしている。私たちはこの攻撃
を阻止するため、国土交通省内をはじめ公務・公共サービスにかかわるすべての労働者の問題とし
て国民的たたかいと結びつけ全力で奮闘することを確認した。
私たちは、政府・財界による労働者・国民全体への攻撃をはね返していくために、職場での討議
と学習を深めるとともに、組織内にとどまらず、交通運輸・建設・公務産別をはじめとする、労働
者や地域住民と共同し、安全・安心なくらしを求める世論を広げていくことを決意した。
私たちの要求実現への力となるのは、組織の大きさと団結の強さである。そのためにも組織の拡
大強化が求められており、組合員一人ひとりが意識を高め、運動への展望を持つことが要求の前進
にもつながる。すべての新規採用者を組織にむかえ入れ、若いなかまの力も結集し、活き活きとし
た職場活動と組織の拡大・強化を旺盛にすすめていく。
今、職場の内外で私たち国土交通労働組合が中心となって、力を発揮することが求められており、
国民の生命と財産、安全・安心を守るためにも、働くすべてのなかまとともに奮闘していくものであ
る。
以上、宣言する。
2014年9月9日
国土交通労働組合第4回定期大会