国土交通労働組合は、9月8日から 10 日までの3日間、滋賀県大津市において第3回定期大会を開
催し、1年間のたたかいを総括するとともに、今後1年間の運動方針を決定した。
安倍政権は、最大の使命として憲法改悪を掲げている。彼らの掲げる「憲法」とは、平和条項を破棄
し、国民の権利を義務にすり替え、権力が国民を縛る「憲法」にほかならない。
また、政府・財界は、究極の「構造改革」である「道州制」を安倍政権の下で画策している。「道州
制」は、憲法に保障されている地方自治を破壊するとともに地域でより一層の格差を広げ、さらには私
たちの職場や雇用を奪うものである。
私たちは、こうした流れに抗するために憲法を暮らしと行政にいかす社会の実現にむけ、国民ととも
にたたかうことを確認した。同時に民主党政権の「地域主権改革」を実質頓挫させたこれまでの運動に
確信をもち、国民との共同をさらに広げ、政府・財界の攻撃をはね返していくことを確認した。
一方、東日本大震災の復興にたずさわる東北をはじめ私たちの職場は、連年にわたる定員削減と増員
をともなわない新規業務の増加により、慢性的な要員不足に陥り、長時間過密労働を強いられた結果、
メンタル疾患を誘発するなど深刻な状況となっている。
職員のいのちと健康を守るため、定員合理化に反対し、業務に見合った要員・予算の確保を求めてい
くことを確認した。
労働条件のひとつである宿舎の削減・宿舎料の値上げに、多くの職員は不安と負担を感じている。職
場の業務執行と国民の安全・安心を円滑に担保するためにも、宿舎の確保にとりくんでいくことも確認
した。
賃金についても、憲法違反の賃金削減が強行されている中、職員とその家族の生活は悪化の一途をた
どり、アベノミクスによる物価の上昇や社会保障の改悪なども重なって、家計への負担は年々増えつづ
けている。また、「賃下げ特例法」が昨今の情勢から、本当に時限立法で終わるのか予断を許さない状
況となっており、加えて、50歳代以上の賃金抑制など職員の怒りは頂点に達している。
こうした状況の中、私たちは生活改善と労働者としての権利回復をめざして、「賃下げ違憲訴訟」の
全面勝利と賃下げの継続阻止にむけ、実力行使体制の確立を含む議論を職場から旺盛に展開することを
はじめとして、全国各地で奮闘していくことを確認した。
今、職場の内外で私たち労働組合が中心となって、力を発揮することが求められている。日本の労
働者・国民全体にかけられている攻撃をはね返していくために、組織内にとどまらず、交通運輸・建
設をはじめとする民間労働者や地域住民と共同の輪を広げながら、全力でたたかう決意を固めあった。
そのために職場での討議と学習を深めつつ、一歩足を前に出し、国民の安全・安心な暮らしを求める
世論を広げていくことを確認した。
国土交通労働組合への期待は、これまでになく高まっている。私たちの要求実現への力となるのは、
組織の大きさと団結の強さである。組合員一人ひとりが意識を高め、運動への展望を持つことが要求
の前進にもつながる。青年交流集会につどった若いなかまの力も結集し、活き活きとした職場活動と
組織の拡大・強化を旺盛にすすめていくことも確認した。さらには職場と地域でなかまとの連帯を大
きく広げ、憲法をくらしと行政にいかす、安全・安心な国土交通行政の確立のために奮闘していく。
以上、宣言する。
2013年9月10日
国土交通労働組合第3回定期大会