大 会 宣 言

 国土交通労働組合は、9月9日から10日にかけて、新潟県湯沢町において代議員、オブザーバー、来賓、本部176名参加のもと第8回定期大会を開催し、1年間のたたかいの総括と今後1年間の運動方針を決定した。  この1年の間にも全国各地で大きな被害をもたらす豪雨、台風、地震といった自然災害が相次ぎ、組合のなかま自身が被災したにもかかわらず、テックフォースなどによる災害対応、復旧復興にむけた支援に奮闘している。本大会では、災害対応で現場の実情を無視した指示や命令があることが報告された。その背景には政治の行政への介入などが考えられ、私たち国土交通省においても国民からの信頼が揺らごうとしている。あらためて公平・公正・中立という行政の原則に立ち戻るため、いまこそ内部牽制機能としての労働組合の役割を発揮しなければならない。

 職場の最大の要求である要員確保については、省内他労組との共闘として、はじめて北海道開発局の全開発労働組合と体制拡充署名を連名でとりくんだ。ナショナルセンターを超えたとりくみの効果は他の三大署名にも波及し、紹介議員の拡大につながるなどの到達点を築いた。労働組合に結集し、粘り強く訴え続けることにより、要求が一歩ずつ実現に近づいていくことを確信し、引き続き、国土交通省で働くすべてのなかまでとりくむことを確認した。また、政府の定員合理化策における「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」が2019年度で最後の年度を迎えることから、新たな方針の策定が危惧される。いま以上の業務執行体制の削減を許さず、新たな定員合理化計画阻止のたたかいを、国公労連のとりくみにも結集し定員削減による国民生活への悪影響を国民世論に訴えたたかうことを確認した。

 私たちの働き方をめぐっては、長時間労働の是正にむけて人事院規則で超過勤務命令の上限を設定する動きがあるが、実効性のある厳格な運用とそれを可能とするための客観的な勤務時間管理の義務化など働くルールを確立していくことを確認した。また、本省庁職場でとりいれられているテレワークについては、地方を含めた対象の拡大や、運用への不安が発言され、行政サービスの低下だけでなくタダ働きとなる裁量労働につながる働き方になることを注視していくことを確認した。

 定年の引上げについては、定年年齢を段階的に65歳まで引き上げるとする一方、役職定年制の導入や60歳超職員の年間給与を60歳前の7割の水準に引き下げることなど、私たちの要求を何ら反映していない。くわえて今年の人事院勧告は月例給、一時金ともに「5年連続の引き上げ」となるものであったが、きわめて低額であるとともに中堅・高齢層への配慮がなされていないことからも到底容認できるものではない。生活改善が実感できる大幅賃上げや定員外職員の処遇改善、高齢期の生活の保障の実現にむけ、いっそう奮闘することを意志統一した。

 この間、政府により沖縄新基地建設や「戦争する国づくり」が着々とすすめられているなかで、次期国会では憲法「改正」が議論されようとしている。日本周辺において非核化にむけ動きはじめているもと、平和への願いを若い世代に引き継ぐことや、平和を希求する国民的な運動に結集し、憲法改悪阻止のとりくみを強化することを確認した。  国民本位の国土交通行政や私たちの諸要求を実現させるためにも、国土交通労働組合の組織を拡大、強化することは喫緊の課題である。大会では対象者に応じた声掛けを実施することで毎年新規採用者を全員加入させているとりくみや、役員が活動にとりくむ姿勢を見せることで、青年組合員が積極的にとりくみはじめたことが教訓として発言された。こうした教訓を生かし、目に見える活動をよりいっそう強めるとともに、組合員であることに誇りを持ち、楽しく活動していくことを決意した。 国土交通労働組合は、組合員一人ひとりの要求を実現するため、身近な要求解決はもとより公務産別、交通運輸・建設をはじめとする労働者と共同し、働くすべてのなかまとともに職場課題の改善、平和で安全・安心な社会づくりのため、よりいっそう奮闘していくものである。  

 以上、宣言する。

2018年9月10日      

国土交通労働組合第8回定期大会

第8回定期大会 大会宣言