国土交通労働組合は、9月10日から11日にかけて、滋賀県大津市において代議員、オブザーバー、来賓、本部196名参加のもと
第7回定期大会を開催し、1年間のたたかいの総括と今後1年間の運動方針を決定した。
今、私たちの職場では、業務量が大幅に増大する一方で、職員は減らされ続け、要員不足による長時間労働が
恒常化している。あらゆる職場で疲弊している実態が、国土交通労働組合で実施した
「長時間過密労働・不払い残業の実態調査」において明らかになった。長時間に
およぶ超過勤務を余儀なくされ、強いストレスを抱えながら日々の業務にあたっている職員がいるなかで、
官邸の一方的な指示のもと、必要な定員措置を認めず、
観光庁は各部局から要員を吸い上げて対応している事態や、森友・加計問題も他人事ではなく、
行政が歪められている実態など、政府の傲慢な姿勢が私たちの業務に強い影響をあたえている状況も報告された。
私たち国土交通労働組合は、国民本位の国土交通行政をめざして、定員削減の中止や
必要な要員確保にむけた体制拡充をはかり国民世論を構築するため、国会請願の三大署名を旺盛にとりくみ、
職場、地域から全国的な世論の理解と支持を広げる運動を、力強くすすめていくことを意志統一した。
人事院は国会と内閣に対し、一般職国家公務員の給与等に関する勧告と報告を行った。月例給、
一時金ともに「4年連続の引き上げ」となったことは、私たちが格差と貧困の解消にむけ、
2017年春闘を官民共同で旺盛にたたかってきた大きな成果である。一方で、勧告された引き上げ額では、
悪化する生活環境の改善に至らないばかりか、現給保障廃止による賃下げ回避については何ら言及されず、
これまで、私たちが求めていた再任用職員への生活関連手当や定員外職員の待遇の抜本的な改善が
盛り込まれなかったことは到底容認できるものではない。
また、国家公務員の定年延長の具体的検討が行われているが、総人件費削減方針の動きを阻止しなけ
れば、大幅な賃金の抑制につながるおそれがある。退職手当の引き下げ阻止、職責に見合った待遇改善を人事院
や政府に対して追及していくことを意志統一した。
本大会では、平和運動の大切さや憲法改悪阻止に対するとりくみを強化する必要性が発言された。な
かでも、組合員のみならず職場のなかまや家族に、
国民平和大行進や原水爆禁止世界大会への参加をすすめることにより、
平和への願いを若い世代に引き継ぐことや、国民的課題に結集することで官民共同のつながりを生み出
すことの必要性が報告された。また、身近な職場課題のとりくみとあわせ、平和な社会を希求する運動に結集す
ることの重要性も強調された。さらに、安倍政権が2020年の施行を狙っている憲法改正や労働法制大改悪を阻止するため、
最大限結集することを確認した。
また、民間委託された海洋環境整備船を国の直営による運航へ転換させたことや、定員外職員3年雇
止めの突破、地方整備局での再任用職員フルタイムの実現、さらに三大署名にもとづく運輸・気象職場での純増
など、国土交通労働組合として省内の労働組合が統一したことによる、
組織力を生かした運動で数々の成果が共有された。
私たちが労働組合に結集し、粘り強く訴え続けることにより実現するという画期的な到達点をつくり出
してきたことを確信にする必要がある。
しかしながら、結成以降、国土交通労働組合の組織率が低下していることは、国民本位の国土交通行政や我々
の諸要求の実現さえも困難にしている。このような状況を打開し、組織をより大きくするため、目に見える活
動、とりわけ教宣活動をはじめとする、日常活動をよりいっそう強めることを確認した。職場に労働組合の風
を吹かし、なかまを増やすことが重要であり、すべてのなかまと対話を広げ、手をとり合い、ともに行動して
いくことが今まさに求められている。
国土交通労働組合は、組合員一人ひとりの要求を実現するため、身近な要求解決はもとより、公務産別、交
通運輸・建設をはじめとする労働者と共同し、働くすべてのなかまとともに職場課題の改善、平和で安全・安
心の社会づくりのため、よりいっそう奮闘していくものである。
以上、宣言する。
2017年9月11日
国土交通労働組合第7回定期大会