~2016年人事院勧告にあたって~
2016年8月9日
国土交通労働組合 書記長 山﨑 正人
人事院は8月8日、国会と内閣に対し、国家公務員の給与等に関する勧告と報告及び職員の両立支
援制度にかかる勤務時間の改定に関する勧告等を行いました。具体的には、平均708円(0.17%)の
官民較差があるとして、若年層に重点を置いた俸給水準の引き上げと、一時金を0.1月分引き上げる
ものであり、3年連続の賃上げとなっています。
これは、私たちが格差と貧困の解消にむけて全労連・国民春闘共闘委員会に結集し、大企業の社会
的責任を追及し、
雇用の安定とすべての労働者の賃金引き上げをめざして2016年春闘を官民共同で旺盛に
たたかってきたことの大きな到達点です。しかし、その内容は、物価上昇や社会保障の引き下げなどで私たちの生活が悪化の一途をたどるも
たたかってきたことの大きな到達点です。しかし、その内容は、物価上昇や社会保障の引き下げなどで私たちの生活が悪化の一途をたどるも
とで、抜本的な生活改善にはほど遠いものとなっています。くわえて一昨年から強行されている「給
与制度の総合的見直し」によって、中高年層職員の賃金改善は実質頭打ちとされ、現給保障が打ち切
られる2018年4月には大幅な賃下げとなる事態が想定されます。
さらに、人事院は、劣悪な労働条件下で国土交通行政を担っている定員外(非常勤)職員や再任用
職員の賃金や労働条件改善にまったくふれなかったことは、到底容認できません。
政府も「同一労働・同一賃金」「均等待遇」の必要性を認めているもとで、
定員外職員や再任用職員の労働条件改善に率先してあたることは、人事院の当然の責務です。
政府も「同一労働・同一賃金」「均等待遇」の必要性を認めているもとで、
定員外職員や再任用職員の労働条件改善に率先してあたることは、人事院の当然の責務です。
また、人事院は自ら行った民間給与実態調査により66.8%が配偶者に係る扶養手当を支給している
実態を明らかにしているにもかかわらず、私たちとの十分な協議も保障せず一方的に不利益変更とな
る配偶者に係る扶養手当の引き下げをともなう「見直し」を強行しました。このことは、
「民間準拠」原則を踏みにじり、「公平」「中立」な第三者機関としての役割を自ら放棄し、
政府の下請け機関に成り下がったものに他ならず、断じて認めることはできません。
政府の下請け機関に成り下がったものに他ならず、断じて認めることはできません。
一方、両立支援制度について、介護休暇の分割取得を可能にすることや、介護のために勤務時間の
一部を免除する措置等が示されたことは、職場の切実な要求に一定応えるものとはいえ、介護時間が
無給となっているなど、職場で活用しやすい制度構築にむけたいっそうの改善が求められます。
私たち国土交通労組は、すべての労働者の賃上げ、賃金の地域間格差の是正と景気回復をめざし、
全国各地で広範な労働者・国民と共同のとりくみをすすめてきました。くわえて、官民を問わず、憲
法のもとで保障された労働者の権利が蔑ろにされるなかで、
「公務員賃下げ違憲訴訟」をはじめとした
とりくみへの結集を強めてきました。
いま求められているのは、「総人件費削減」方針及び「給与制度の総合的見直し」を
即時中止・撤回し、国家公務員の大幅賃上げを実現させるとともに、長引く不況から脱却し、
すべての労働者の賃金引き上げの流れを創り出すことで、景気を確実に回復させることです。
私たちは、引き続き、交通・運輸、建設産業の労働者、公務・公共サービスにかかわる労働者とともに、
官民共同のたたかいをくり広げ、大きな国民世論を築くことで公務労働者の労働条件改善はもとより、
即時中止・撤回し、国家公務員の大幅賃上げを実現させるとともに、長引く不況から脱却し、
すべての労働者の賃金引き上げの流れを創り出すことで、景気を確実に回復させることです。
私たちは、引き続き、交通・運輸、建設産業の労働者、公務・公共サービスにかかわる労働者とともに、
官民共同のたたかいをくり広げ、大きな国民世論を築くことで公務労働者の労働条件改善はもとより、
すべての労働者の賃金・労働条件改善をはじめとする要求の実現をめざします。
そのためにも、国土交通省に働くすべての労働者のなかまみなさんに私たちの運動への結集を
呼びかけるものです。
呼びかけるものです。
= 以上=