2022 年春闘アピール
国土交通労働組合は、2月6日、神奈川県川崎市にて参集とWeb方式において、中央委員、オブザーバー、来賓、本部役職員あわせて、127 人参加のもと、第11 回中央委員会を開催し2022 年春闘方針を決定した。
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないなか、昨秋、政府・岸田政権は医療体制強化や水際対策など国民生活をまもるとりくみより、“自己責任論、新自由主義、大企業や富裕層優遇の偏った経済政策”を優先するこれまで安倍・菅前政権が推し進めてきた路線を継承した。その結果、2022 年の年明けから感染が急拡大し、保健所や医療機関の業務が逼迫し、また、生活困窮者への支援が追いついていないなどの深刻な事態がうまれている。
また、政府は、近隣諸国との有事をあおり、憲法9条をないがしろにする「敵基地攻撃能力」の保有について検討するなど憲法改悪にむけ前のめりの姿勢を強めている。いま、政府として行うべきは、戦争する国づくりのための憲法改悪ではなく、憲法25条の生存権に基づき、コロナ禍で苦しんでいる国民の生活をよりよくするための行政の確立とともに、「生命の危険がない」安心して暮らせる社会を実現することであり、私たちは、平和と民主主義を希求する運動に最大限結集することについて確認した。
賃金をめぐっては、政府は、21 年人事院勧告による一時金の引き下げを22 年6月の一時金において、遡って調整するとしている。また、国土交通省当局は、定員外職員(非常勤職員)の21 年12 月の一時金においても、常勤職員との均等支給とする人事院の指針に反し、“予算の都合”を言い訳とするきわめて不合理で、不公平な対応を行った。さらに21 年には最低賃金が改善された影響により、国家公務員の高卒初任給が最低賃金水準を下回る職場が増加するなど、政府や国土交通省当局の姿勢は、コロナ禍での業務負担が増すなか職場で奮闘する職員に冷水をかけるものであり断じて容認できない。国民生活・経済再興のためには、景気上昇に必要となる個人消費を増やすために、大幅賃上げが必要不可欠である。そのためには世論構築はもとより、人事院・政府に対
し、賃金改善にむけた強いたたかいが2022 年春闘で求められる。私たちは、2022 年春闘において、すべての労働者の雇用をまもり、大幅賃上げの実現をめざすたたかいに組織の総力をあげて結集していくことを確認した。
国土交通省の体制拡充に関しては、コロナ禍で明らかになった保健所などの行政組織の弱体化が社会的な問題となるなか、国土交通行政を支える全国各地の職場においても、長年にわたる定員合理化計画の影響をうけ、深刻な要員不足が続いている。公務・公共サービス拡充を求める多くの人々からの期待に対して、災害対応をはじめ交通運輸・建設・気象行政など国・独立行政法人への充分な体制にはなっておらず、このままでは国民生活の安全・安心を脅かすことになる。いまこそ、政府の長年にわたる定員合理化計画を撤回させ、業務量に見合った大幅な職員確保が重要となっている。私たちは、気象庁や地方整備局、地方運輸局での純増の成果を自信と確信にして、国民的な大きな世論をつくりあげ、組織・体制の拡充と職員の確保を求め、引き続き体制拡充署名に旺
盛にとりくむ決意を固めた。職場においては、長時間過密労働やテレワーク、交替制勤務者の勤務実態に則さない休暇制度など、様々な課題を抱えるなか、私たち国土交通労働組合は、職場内の組合員はもとよりすべてのなかまの声を受けとめながら、切実な要求の実現を当局・政府に迫り、成果を出す運動を引き続きすすめることを確認した。
また、私たち労働組合の運動により、出生サポート休暇の新設など勝ち取ってきている。こうした成果を職場に広げ、様々な制度について学習を深めることで、さらなる職場環境や労働条件の改善につなげていくことの必要性についても確認した。
コロナ禍のもと、人と人とのつながりの重要性が再認識されるなか、いまこそ、よりいっそうなかまとの交流や団結を強化し、組織を大きくすることが求められている。第11 回定期大会で確認された「組織拡大強化3か年計画」のもと、組織再生にむけたとりくみが報告された。国土交通労働組合が一体となり、すべての支部で立ち止まることなく、組織拡大のとりくみを継続していくことを意志統一した。
国土交通労働組合に結集するなかまのみなさん。
すべての労働者の雇用をまもり、大幅賃上げ、大幅増員、労働環境改善、平和な社会など、すべての国民が安全で安心して暮らせる社会を実現し、「職場・社会・未来」を変えていくことを国民とともにすすめていくため、本中央委員会で決定された方針を実践し、2022 年春闘勝利をめざし、全力でたたかおう。
2022 年2月6日
国土交通労働組合 第11 回中央委員会