大 会 宣 言

 国土交通労働組合は9月4日から5日にかけて、代議員、本部、来賓あわせて142人参加のもと、第11回定期大会をWeb方式にて開催し、これまでのたたかいの総括と向こう1年間の運動方針を決定した。

 大同団結から10年を迎えた本大会では、残念ながら、新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ感染症)拡大による緊急事態宣言の影響により、Web方式での開催が余儀なくされた。しかし、大同団結から10年間、激動の時代にあきらめることなく、たたかう労働組合として諸課題に挑み続け、多くの勝ちとってきた成果や教訓に確信を持ちさらなる飛躍をめざし、運動と組織の活動について意志統一を行った。

 賃金闘争においては、コロナ禍による厳しい社会情勢のもと、「コロナ禍だからこそ賃上げを」との声を挙げ、官民一体となって21春闘を旺盛にとりくんだ。人事院勧告に対しても、新型コロナ感染症対応の第一線で働く地方公務員や病院職員はもとより、770万人の民間労働者にも影響を与えることから、生計費にもとづく政策的な賃金改善を強く求めたが、人事院は民間準拠に固執し、俸給表及び諸手当の改定を見送り、一時金についてはマイナス勧告を行うなど、その冷血的、機械的な姿勢は到底容認できるものではない。

 職場においては、コロナ禍による「新しい生活様式」、「新しい働き方」の推進や、「SDGs」が求める「カーボンニュートラル」を軸とした持続可能な開発目標の設定、また、年々激しさを増す気候変動など、労働環境や生活環境が大きく変化しようとしているなか、国土交通省の職場においてもその変化が推しすすめられており、十分な体制の確保や職場環境改善が追いついておらず、テレワーク・在宅勤務による職員の孤立化、長時間・超過密労働やハラスメントの増加など様々な問題が職場に生じていることが多数報告された。私たち国土交通労働組合は、様々な職場課題のとりくみとともに、定員削減の中止や必要な要員確保にむけた国土交通省の体制拡充の大きな国民世論を構築するため、国会請願の体制拡充署名を旺盛にとりくみ、職場、地域から全国的な世論の理解と支持を広げる運動を、力強くすすめていくことを意志統一した。

 本大会では、国民本位の行財政についても多くの発言が行われた。1月22日に発効した「核兵器禁止条約」では、多くの国が署名・批准し、国内の世論調査においても7割近くの国民が条約への参加を求めるなか、日本政府は国民世論を無視し、「核兵器禁止条約」への署名・批准を拒否し続けている。また、新型コロナの対応においても、感染拡大がすすみ、多くの国民がオリンピック開催に懸念を示すなかにおいても、日本政府や東京都は多くの国民の声を無視しその開催を強行するなど、国民本位の行政とは程遠い状況になっていることが報告された。国民本位の行政の確立のため、身近な職場要求のとりくみと連動させ、平和と民主主義を希求する運動に最大限結集することについて確認した。

 様々な課題があるなか、残念ながら、国土交通労働組合の組織率は結成以来半減しており、国民本位の国土交通行政や私たちの諸要求を実現させるためにも、これ以上の組織率の低下は絶対に許さず、全ての支部で、組織の拡大・強化のため、組織拡大強化3か年計画のもと、職場に労働組合が存在し続けなければならない意義を職場全体で再認識し、組織のステップアップと増勢をめざすことを確認した。

 国土交通労働組合は、組合員一人ひとりの賃金・待遇・職場環境改善など身近な要求解決はもとより、公務・公共産別、交通運輸・建設をはじめとする広範な労働者と共同し、平和で安全・安心の社会づくりのため、職場と地域の両面から、いっそう奮闘していくものである。

以上、宣言する。

2021年9月5日

国土交通労働組合 第11回定期大会