2021年春闘アピール
国土交通労働組合は、2月6日、中央委員、オブザーバー、本部役員あわせて129人が参加のもと第10回中央委員会を開催し、2021年春闘方針を決定した。
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、私たちの暮らしや行政、日本経済は依然として困難な状況がつづいている。未だ収束さえ見通せないなか国民生活や労働者にとって深刻な事態となっている。しかし、こうした事態においても「自助」を第一に掲げる菅政権は、政権発足以来、持続化給付金、雇用調整助成金など緊急支援策を継続する一方で、感染防止策は活動自粛や休業要請など個人や企業等への協力要請にとどまり、収束策はワクチン接種に頼るだけなど、緊急事態の対応に国民からの批判が蔓延している。
賃金をめぐっては、新型コロナの影響を受けて月例給の据え置き、一時金の引き下げが強行された。こうした引き下げはコロナ禍の業務負担が増すなかで職員の労苦に報いるものになっていない。2021年度人事院勧告にむけて、何より国民生活・経済再興のためにも内需拡大につながる大幅賃上げが必要不可欠である。このため世論構築はもとより、人事院・政府に対し民間準拠に固執させない賃金改善への強いたたかいが21春闘で求められる。
私たちは、今春闘において、すべての労働者の雇用をまもり、大幅賃上げの実現をめざすたたかいに組織の総力をあげて結集していくことを確認した。
体制拡充については、行政体制の脆弱化がコロナ禍で明らかとなり社会的な問題となっている。今こそ、政府の連年にわたる定員削減計画を撤回させ、業務量に見合った大幅な職員確保が重要となっている。国土交通行政を支える全国各地の職場では、深刻な要員不足がつづいており災害対応をはじめ交通運輸・建設・気象行政など国・独立行政法人への国民からの期待に応えられず、医療現場と同様、こうした体制不足は国民生活の安全・安心を脅かすことになる。
私たちは、地方整備局や地方運輸局で増員を勝ちとった成果を自信と確信にして、組織・体制の拡充と職員の確保を求め、引き続き体制拡充運動に結集する決意を意志統一した。
公務職場においては、要員不足のなかで「真の働き方改革」が求められている。職場では、テレワークの急増によるコミュニケーション不足の課題にくわえ、業務量増大で長時間過密労働が強いられ、パワハラや心身破壊がすすんでいる。また、2019年4月導入の超過勤務の上限規制では、抜本的な業務改善策が講じられないなか、時間数削減に固執する姿勢が蔓延している。さらに、コロナ禍の在宅勤務においては超過勤務手当の支給の制約にくわえ勤務時間管理も職員個人任せの状況に置かれようとしている。
私たち国土交通労働組合は、職場内の組合員はもとよりすべてのなかまの声を受けとめながら、切実な要求の実現を当局・政府に迫り、成果を出す運動をすすめることを確認した。
国土交通行政を担うなかまからは、国民本位の国土交通行政の確立をはじめ賃金・諸手当、体制拡充、真の働き方改革など労働組合への期待は高まっている。こうしたなかまの声を集め、大きな声にするためにも「頼りになる労働組合」を目指さなければならない。
私たちは、全国のなかまにむけて、職場に労働組合がある存在意義を語り、理解と共感を得て、「なかまづくり」をすすめることの強い決意を固め合った。
新たに職場に加わるなかまをはじめ、すべてのなかまの労働組合への結集を粘り強く呼びかけると同時に、「ひとり一行動」を合い言葉に行動を実践し、組合運動の「見える化」を力強くすすめ、第11回定期大会を増勢でむかえよう。
国土交通労働組合に結集するなかまのみなさん。
すべての労働者の雇用をまもり、大幅賃上げ、大幅増員、労働環境改善、平和な社会、政治改革など、すべての国民が安全で安心して暮らせる社会を実現し、「職場・社会・未来」を変えていくことを国民とともにすすめていくため、本中央委員会で決定された方針を実践し、2021年春闘勝利をめざし、全力でたたかおう。
2021年2月6日
国土交通労働組合 第10回中央委員会