2016年春闘アピール国土交通労働組合は、2月7日から8日にかけて、愛知県豊橋市において中央委員、
オブザーバー、来賓、本部176名の参加のもと第5回中央委員会を開催し、2016年春闘方針を決定しました。安倍政権は昨年、国民の反対の声を押し切って、憲法違反の安保関連法を強行採決しました
。夏の参議院選挙では、憲法「改正」を争点にすると明言し、一部野党との共同も視野に改憲発議に
必要な三分の二以上の議席を確保して「戦争する国づくり」を突きすすめようとしています。

これに対し、平和を願う多くの国民の声が高まり、学生・若者、ママなど広範な人々による
運動は大きなうねりとなっています。
私たちは、憲法第99条で憲法尊重擁護の義務を負う国公労働者として、「平和はすべての礎」で
あることを確認し、平和憲法の遵守をはじめ、民主主義を脅かすあらゆる策動や、
世論を無視する暴走政治に対し「戦争法廃止を求める2000万人署名」を軸に、
国民とともに断固としてたたかっていくことを決意しました。

「アベノミクス」は、一部大企業や富裕層に莫大な利益をもたらす一方で、
消費税増税、実質賃金の低下、社会保障制度の改悪など、国民・労働者の
生活改善にはつながっていません。非正規労働者が2,000万人を超え、最低賃金など
地域間の格差が拡大しているもとで、生涯派遣につながる派遣法改悪に続き、
今後も「残業代ゼロ」や「解雇の自由化」など労働者の権利破壊がすすめられようとしています。
私たちは、全国各地で官民共同のたたかいによって公務労働に対する理解を広げ、
昨年の人事院勧告とそれに基づく給与法改定で、月例給や一時金の改善を勝ちとりました。
しかし、生活改善ができる賃金水準にはほど遠く、「給与制度の総合的見直し」によって、
多くの職員の実質賃金は据え置かれ、高齢層の給与水準抑制や地域手当の格差拡大で、
職務給、同一労働同一賃金の原則がないがしろにされています。不況の打開には、
賃金の大幅引き上げと安定した雇用による内需の拡大こそが必要です。最低賃金の大幅な改善、公契約制度の拡充などにむけ、官民一体の2016年春闘に
奮闘するとともに、労働基本権の回復をめざし、たたかうことを決意しました。
ずさんな施工管理による横浜のマンション傾斜問題、軽井沢でのスキーツアーバス事故など、
国民の安全・安心を脅かす重大事案が連続的に発生し、あらためて国土交通省の指導・監督の
強化が求められています。私たちは、行き過ぎた規制緩和や公務の民営化に警鐘を鳴らし、

交通運輸、建設産業で働く民間の労働者と共闘して、自然災害への備え、交通運輸・航空の安全確保
、良質なインフラ・建築物の提供が行える国土交通行政の拡充を求めてきました。

しかし、政府は国民のニーズや職場の実態を顧みず、一律的な定員削減を強行し、
職場を疲弊させるだけでなく、公務・公共サービスの切り捨てをいっそう推しすすめています。
本中央委員会では、私たちがとりくんできた三大署名(気事拡、生公連、海洋環境)などをもとに
公務の役割や職場の実態を社会に広める運動により、気象庁では連年の定員純減から純増を
勝ち取ることができ、海洋環境の分野では職種転換による処遇改善がはかられる到達点を
築いたことが報告されました。

このことを確信として、引き続き政府・財界による労働者・国民全体への攻撃をはね返し、
人間らしく働き続けられる職場にしていくために、職場内にとどまらず、公務産別、
交通運輸・建設をはじめとする労働者や地域住民と共同し、安全・安心なくらしを求める
世論を広げていくことを決意しました。

国土交通労働組合に結集するなかまのみなさん私たちの要求実現への力となるのは、
組織の大きさと団結の強さです。
組合員一人ひとりが意識を高め、運動への展望を持つことが要求の前進につながります。
そのためにもすべての新規採用者をはじめとする未加入者や国土交通行政をともに支える定員外職員を
組織に迎え入れましょう。
そして若いなかまの力も結集して活きいきとした職場活動を旺盛にすすめていきましょう。
本中央委員会で決定された方針を実践し、2016年春闘勝利をめざし、全力で奮闘しましょう!
2016年2月8日
国土交通労働組合第5回中央委員会