2020年春闘アピール
国土交通労働組合は、2月2日から3日にかけて、愛知県豊橋市において中央委員、オブザーバー、来賓、本部あわせて143人参加のもと第9回中央委員会を開催し、2020年春闘方針を決定した。
国会では、公職選挙法違反容疑での閣僚辞任、統合型リゾート(IR)整備にかかる汚職容疑での国会議員の逮捕など、「政治とカネ」にかかわる問題が噴出している。ところが、安倍首相はこの問題に説明責任を果たそうとせず、その無責任ぶりが際立っている。また、「桜を見る会」問題では、内閣府が政権への忖度を優先し招待者名簿を早々に破棄する行為が、国民全体の奉仕者たる公務員としての最低限の矜持さえ失わせている。
安倍政権は、トランプ政権の「有志連合」構想に応える形で、調査活動を名目に自衛隊を中東へ派遣することを年末に閣議決定し、活動に入った。トランプ政権が自ら作り出したペルシャ湾の緊張状態に何の躊躇もなく派遣を決定し、自衛隊員を危険に晒しておきながら、「命を賭して任務を遂行している自衛隊を憲法に明記しその正当性を確定する」と憲法改正に血眼になる安倍首相の姿勢は、戦争する国づくりをすすめるものである。
賃金をめぐっては、若年層のみ基本給が改定されたが低額にとどまり、一部地域では最低賃金にさえ届いていない。さらに昨年10月から消費税率が10%に引き上げられ、生活は苦しくなる一方である。また定年延長については、今国会で人事院の申し出に沿う形で2022年度からの引上げ開始にむけた審議がはじまろうとしているが、高齢者が安心して働ける内容とはなっていない。私たちは、今春闘において、すべての労働者の大幅賃上げの実現をめざすたたかいに結集し、年金支給開始まで誇りをもって働ける制度設計が必要であることを確認した。
定員関係では、自然災害からの復旧・復興、国土強靭化への対応のため、地方整備局でははじめての純増が実現したが、これまでの定員削減で地域の最前線の職場では、要員不足が深刻となり、国民生活の安全・安心を脅かしている。激甚化・広域化する自然災害が相次ぐなか、国民の国土交通省への期待は高まる一方である。わたしたちは、国土交通行政を担う組織・体制の拡充と職員の確保を求め、引き続き体制拡充運動に全力をあげることを確認した。
国土交通労組は今年結成10年目を迎える。この間に職場では、長時間過密労働が強いられ、なかまの心身の破壊がすすんでいる。一方で、パワハラについては防止法の制定により、公務職場でも対策にむけて動きはじめている。わたしたちは、切実な要求の実現を政府に追ると同時に、なかまの声に耳を傾け、公務職場に労働組合がある意義を語り、理解と共感を得て「なかまを増やすなかま」を作らなければならない。春闘期に新たに職場に加わるなかまはもちろん、職場で働くすべてのなかまを視野に入れた組織拡大をすすめ、今年9月の第10回定期大会を増勢でむかえるために、「ひとり一行動」を追求し、職場における組合活動の「見える化」をさらにすすめよう。
20春闘は、大幅賃上げ、長時間過密労働改善、大幅増員、憲法改悪阻止、すべての国民が安心して暮らせる社会を実現するために、国民とともにとりくみをすすめていくことを確認した。
国土交通労働組合に結集するなかまのみなさん。
本中央委員会で決定された方針を実践し、2020年春闘勝利をめざし、全力でたたかおう。
2020年2月3日
国土交通労働組合 第9回中央委員会