大 会 宣 言

 国土交通労働組合は、9月8日から9日にかけて、滋賀県大津市において代議員、オブザーバー、来賓、本部あわせて192人参加のもと第9回定期大会を開催し、1年間のたたかいの総括と今後1年間の運動方針を決定した。

 今年の人事院勧告は、月例給、一時金ともに「6年連続の引き上げ」となったが、きわめて低額な改定であった。さらに住居手当については、支給対象者のおよそ4割が改悪を迫られるものであり、断じて許すことができない。一方で、長年の要求であった定員外職員の夏季休暇を措置させたことは、この間、私たちが雇用の安定や均等待遇の実現を求め、制度の抜本改善と処遇改善を粘り強くとりくんできた運動の成果である。引き続き、私たちの処遇改善はもちろん、生活改善につながる大幅な賃上げ実現を求めて、政府、人事院に対し、粘り強くとりくむことを確認した。

 私たちの働き方をめぐっては、今年4月から、超過勤務の上限規制などについて、人事院規則が制定された。しかし、業務量が減らないなかで、国交省当局は抜本的な改善策を示さず、時間数の削減だけを強要することで、「隠れ残業」を助長する状況であることや、上限規制が実効ある超過勤務縮減対策となっていないことが報告された。多くの職員が心身共に疲弊し病気休職者などが相次いで発生している現状を改善するためにも、総定員法と連年一律機械的に行われる定員削減を撤回させ、大幅増員を求めることが必要であり、そのためにも、国民本位の国土交通行政実現にむけた体制拡充の国会請願署名を軸に、議会請願や世論を喚起する運動を、地域と職場の両輪で力強くすすめていくことを意志統一した。

 障がい者雇用については、安心して働ける職場環境とはなっておらず、くわえて、仕事の割り振りが不適切なため働きがいを持てないことなども報告された。そうしたことから、短期間で辞職する割合も多く、障がい者に寄り添い、職場で孤立をさせないことが必要である。障がい者が安心して働ける職場は、すべての労働者が働きやすい職場であり、働きがいを持てる職場をめざす必要があることを確認した。
 マイナンバーカードについては、取得率をあげるため、身分証明書にくわえて、あらたに共済組合員証と一体化させて、取得させようとしている。当局からのさらなる取得促進の動きが強まることが予想されることから、引き続き「強制」することがないよう、監視を強化することを確認した。

 政府は参議院選挙の結果、改憲勢力が3分の2の議席を獲得できなかったにもかかわらず、「戦争する国づくり」のため、憲法改正をすすめようとしている。私たちが目指す「8時間働けば人間らしく暮らせる社会」は平和な社会でしかありえない。ふたたび公務労働者を戦争の奉仕者にしてはならないためにも、平和への願いを若い世代に引き継ぐことや、職場で平和や民主主義の問題について議論することの必要性を確認した。

 国民本位の国土交通行政や私たちの諸要求を実現させるためにも、国土交通労働組合の組織を拡大、強化することは喫緊の課題である。そのため、今後2年間を組織・運動発展強化特別期間とし、組織拡大推進本部を立ち上げて、PDCAを確実に実践し、役員だけでなく組合員全員でとりくむことで、「増やすなかま」を増やすことを確認した。さらに、秋には第4回全国青年交流集会が開催され、次代を担う多くの青年を結集させていくことを確認した。楽しい労働運動をすすめ、来年の定期大会を増勢で迎えることを意志統一した。

 国土交通労働組合は、組合員一人ひとりの要求を実現するため、賃金・待遇・職場環境改善など身近な要求解決はもとより、公務産別、交通運輸・建設をはじめとする労働者と共同し、平和で安全・安心の社会づくりのため、職場と地域の両面から、いっそう奮闘していくものである。

 以上、宣言する。

                                         2019年9月9日      

国土交通労働組合第9回定期大会